強引な睡眠
ワンダー

寝つきはひどくいい。
睡魔がやってきて、まだおきていたい私を
むりやりひきずりたおしにくるみたいな。
あ、まだお風呂にはいっていなかった。
あ、まだ、パジャマにきがえていなかった。
あ、あしたのおこめをといでいない。
そんな意識もすぐにもうろうとなる。

それなのにあけがたよりずっとはやく、
こんどは 私の体の内部から、何かが私をつきうごかして、
わたしは、眠りをやぶられる。

震えるように、
身体は小刻みに振動してくる。
自分の中から地震がおきているように。
私は今度はとびおきる。
眠っていたいという私の意志は存在しないものとして扱われているな、多分。
どこかでなれているが、そういう扱いには。
私の眠りが、私の参加できないところで、決められ、実行させれられている。

やはり、
あの噂はほんとうだったのだろうか。
故郷が地球外の生命には、その本性を思い出さすために、
大きな意志がうごきだしはじめたという噂。
大きな意志にあやつられるようになったら、
それが地球外生命の証拠。

突然の強引な眠りは、
現実の記憶をだんだんとだえさせるため、
明け方の身体からの覚醒は
宇宙からのメッセージをうけとるためのもの、

つじつまが合う説明ねって
自分でも納得してしまう。

毎日眠るのだから、
この計画の実行は簡単なものかもしれない。
私、思い出していく。
遠い、遠い。故郷の記憶。
宇宙の果ての記憶。


自由詩 強引な睡眠 Copyright ワンダー 2006-10-23 13:20:35
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