静山和生


            始点。


            ここまで
            刻むために
            縁取られた
            楕円の音の波頭
            鳴るものは
            鳴りへ、
            我らは
            眼を、
            という我らに
            返す、   返す。

            周回する返照が閉ざす
            二人、   一人。

            見開いた
            三人の足跡
            渇いてしまった
            前景には無音
            高鳴る古色
            鳴りへ、
            鳴れ、   鳴れ。

            描線の
            徒党は四人
            刻まれた一人
            波を砕いて、踵の
            群がる音素を
            織り込んだ
            掌の発現
             音の。
                 音、
              の無
                い
               開

                け


自由詩Copyright 静山和生 2006-10-22 19:12:47
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