苺ジャム幻想
たもつ



苺ジャムから
苺を引いたら
夕日が残った
誰も地下鉄になど
乗ったことの無い町だった
くすんだ陽射しの中
食品工場の隙間では
猫たちがよく逢い引きをしていた
友だちにもみな両親がいた
愛は算式のように
簡単なものだと思っていた




自由詩 苺ジャム幻想 Copyright たもつ 2006-10-18 22:24:33
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