雨粒
倖之丞
地面へ落とされる途中
君と目が合った
その目には
恐怖や
不安の色が映らず
真っ直ぐに地面へと向かう
怖くないの?
僕は問う
怖くないよ
大丈夫、僕らは一つになる
地面で一緒になるから
怖がらなくてもいいんだ
地面に落ちて
水たまりとなり
僕の胸を覆っていた不安が
溶けて半分になった
一つになった喜びが
落ちてくる雨粒の数と
同じになった
自由詩
雨粒
Copyright
倖之丞
2006-10-18 18:09:06