はるるるる
前方後円墳

春を燃やせ

はにかんだ木漏れ日から
涼しげなふりをする風から
蒔き散らした種の芽吹きを妄想している

八重咲き紅梅一輪をちぎり
呆けたアスファルトで踏みにじれば
一滴の紅は血となり火と人と日となり
ひとつながりに黒ずんだ屍体へと渉るのだ

その
狂わせる春を燃やせ

待っているぞ
ひらかれた口に
響きをなくした声が放り込まれ
ひるがえった嘔吐から痙攣となり
滞っている背骨で震えるのを

待っている ぞ

さあ
燃やせ
春燃やせ燃やせ

その焼け跡に
芽吹くものを見つけたら
ほうら
だれもいない部屋の片隅で

 るるる

笑い声を回せ


自由詩 はるるるる Copyright 前方後円墳 2004-03-18 13:50:13
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