安全第一
山崎 風雅

 止まることなく
 車輪は回り続けて
 
 今夜銭湯帰りの空の三日月は
 泣いてるように見えたのは何故?

 心の穢れを落とそうと
 湯船に浸かって体を洗い
 それでも落ちないと嘆いてたせい?

 心地よく心ゆくまで
 この身が雨に溶かされて
 海に流れ行くまで
 季節のラビリンスの中で
 僕は止まることなく
 車輪は回り続けるのだろうか?

 いつか辿りつくだろう
 いつか時代は気付くだろう

 休息を取る毎日で
 鋭気が養われてきた

 黒いマントのおじさんは
 紫色した夜空を舞って
 僕の元に来ても無駄だと分かって
 踵を返してマントを翻して帰ってしまった

 今日は安全に眠れそうだ
 三日月の涙を拭って寝よう







自由詩 安全第一 Copyright 山崎 風雅 2006-10-16 02:25:32
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