奏  者    - S p i e l e r -
李伍 翔

君と同じ舞台にさえ立っていなかったことに気付いたのは
あまりにも時が経ってからだった。

関わることで得ようとした絆は
糸のような細いもので繋がるもろいもので
何の役割も果たすことができずに
ただそこにあるだけ。

数を数え、
自らのエゴに苛まれ、
口をつぐむことで切れないように
微かなふるえも感じさせないように
大事に
大事にしまっておいたのだけれど…

舞台と客席よりも遠い距離に
途方に暮れて
泣き出しそうになっている僕は
やっぱり
君の隣りには居ることができないのだろう。


自由詩  奏  者    - S p i e l e r - Copyright 李伍 翔 2006-10-14 22:40:17
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