美酒八景
石瀬琳々

熟されてワインのように薫る日々
    ひとひ一日ひとひを飲みほす人生
 

男泣き今にこの恋忘れるさ
    五臓六腑にいも焼酎よ


紫煙はき椅子に毒づくたったひとり
    テキーラに沈む夕陽の赤さ


ウイスキー氷は溶けてゆれる
    君つれて来る思いつれて来る


手のひらで転がす夢よブランデーの
    海におぼれてこのまま時を


雪恋しウォトカあおれば火のように
    もえる心に冬山こいし


禁断の恋に堕ちゆく苦みして
    アブサントその緑いろの罪


黄金に稲穂ささやく夢をみた
    かもすうま酒白い夜明けに


短歌 美酒八景 Copyright 石瀬琳々 2006-10-13 15:16:28
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薊道