あめ玉 
服部 剛

朝の車の中で 
おばあちゃんは 
他のお婆ちゃん達に 
七色のあめ玉をくばって 
僕にもくれた 

「 このあめ玉をなめると 
  元気百倍ですね    」

というと 
おばあちゃんは 
たくさん入った袋ごと 
僕にわたした 

日中の仕事はてんてこまい 
机の上は書類の山 
皆が帰った部屋に忘れ物 
主任さんからカミナリ落ちた 

しょんぼり休憩室の扉を開き 
ひとり畳の上に座って 
ポケットから取り出したあめ玉ひとつ 
小さい包みをほどいて 
口に入れた 





自由詩 あめ玉  Copyright 服部 剛 2006-10-13 00:40:36
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