カップうどんカップうどん
虹村 凌
カレーうどんが食べたいと思い立って
冷蔵庫の中にある芽の出かけた玉葱をぐわしと掴み
冷凍庫の中にある霜の降りた牛肉をがおんと掴み
小さくし過ぎないように家宝のエクスカリバー
つまり手刀で切る斬る伐る
しゃおーーーーーぅ
レトルトカレー
生で食べられる事を知っているから
部屋の片隅に積み上げられている
まるで防壁
それは威圧感を放つ攻性防壁
俺はカレーの王子様
笛吹きケトルを腹から外し
カップに注ぎ込む
準備は万端だ
照り返す頭で
肉と野菜を炒めるのだって忘れない
さぁもうすぐ
もうすぐでカレーうどん
わくわくとフタをとり
そこに泳いでいた麺が
らーめんだった時の絶望感
君は知っているだろうか?