カップうどんカップうどん
虹村 凌

カレーうどんが食べたいと思い立って
冷蔵庫の中にある芽の出かけた玉葱をぐわしと掴み
冷凍庫の中にある霜の降りた牛肉をがおんと掴み
小さくし過ぎないように家宝のエクスカリバー
つまり手刀で切る斬る伐る

しゃおーーーーーぅ

レトルトカレー
生で食べられる事を知っているから
部屋の片隅に積み上げられている
まるで防壁
それは威圧感を放つ攻性防壁
俺はカレーの王子様

笛吹きケトルを腹から外し
カップに注ぎ込む
準備は万端だ
照り返す頭で
肉と野菜を炒めるのだって忘れない
さぁもうすぐ
もうすぐでカレーうどん

わくわくとフタをとり
そこに泳いでいた麺が
らーめんだった時の絶望感
君は知っているだろうか?


自由詩 カップうどんカップうどん Copyright 虹村 凌 2006-10-05 13:03:03縦
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