風の軌跡
水無瀬 咲耶

僕らの闘いは
風の名残にすぎないのだろうか
苦しいけれど この道をゆこう
昨日までの限界を彼方へ殴り捨てながら

((もっと巨きな存在が いざなっている
  その枯れることのない千の眼差しで
  宝を人生のそこかしこに散りばめて))

僕は虚空に叫び続ける
この身体から眩い光が解き放たれる
その瞬間まで
殺せないほど熱いこの胸の渇望が
あの空の高みへと 
足元の大地を押し上げてくれるだろう

((世界が耳を傾けるまで
  君よ 一緒に走らないか
  心臓破りの丘を駆け抜けて))

ほら 少年のころに見ていた夢が
もうそこまで 迎えにきている



自由詩 風の軌跡 Copyright 水無瀬 咲耶 2006-10-05 09:29:40
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