カタクチイワシの仔猫たち
佩慈の工人

かちかちの空にもささる うろこたちを登って
こすりとった星たち 毛の中にむこむこ掃きこむ
仔猫たち 海に放ってやって
溶けていく星を追う爪が
厚い雲の覆う海から 出て行けない月までも
ねばねば星は這って ねばねば仔猫はゆく
うねる魚の隙間をさがせ
傷になって 眩暈がしている
星の溜まっている場所 空の突き通る場所が
ここにだって 落ちた印が残るので


自由詩 カタクチイワシの仔猫たち Copyright 佩慈の工人 2006-10-04 17:47:05
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