東京駅
ブライアン

青信号になる。人の波が横断する。
上場企業のアナウンスがされる。数字は行ったり来たり。
工事現場の警備員が赤いスティックを振る。交通安全と家内安全。
ベルトコンベアー式に一日が流されていく。

大きな道がまっすぐ伸びている。
車、人。
曇り空。

駅を支える大きな大理石の柱。

改札口の駅員は今日も不機嫌そうだ。
自動販売機に並ぶ小学生の群れを、目で追っている。
世界も仕事も終わらない。
時刻表にともされる遠距離電車。
昨日と同じ数字。

若さに話しかける老紳士は、
「明日の忘れ物だ」と。
さほど、ぼやけてはいない。
しびれてもいない。

大きすぎるジャケットが、

東京駅の使い古された床を引きずっている


自由詩 東京駅 Copyright ブライアン 2006-10-03 22:09:59
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