拾ってはこぼれ、拾ってはこぼれ
Taka★Hajime

過去に無くした物は返っては来ない
時折、それを拾いたくなるけれど
只管、前へ前へ歩くしかできない僕らは
振り返る事はできるけど、手を伸ばしても届く事は無いだろう

それでも、先にあるものを受け入れにくい不器用な僕らは
欲張れない小さな掌で自分の拾えるものを拾っていく

拾ってはこぼれ、拾ってはこぼれ

後ろめたそうに僕らは落ちていくものを見つめる
けれど、後ろを向いたまま歩いていると転んでしまう
先にあるものは拾えない、拾ったものも落としてしまう

僕らはそこで初めて止まって、過去と未来を見渡せる
傷は舐めれば治ってく

無くした物は戻ってこない、流るる涙は落ちるだけ

でも、同じものがこの先にもあると思えたら・・
取り戻せずとも、得られるものがあるのなら・・
取り戻せずとも、せめて忘れる事勿れと拳を握り締め

いつかまた会うのだろうと、今は勝手でも思い込む

僕らは不器用でそれしかできないけれど
それができれば、あとは何も望む事はないのだから

今はただ、只管只管
歩いてゆこう・・・。



自由詩 拾ってはこぼれ、拾ってはこぼれ Copyright Taka★Hajime 2006-10-02 12:19:34
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