秋明菊
服部 剛

竹筒の側面の穴に生けた
秋明菊しゅうめいぎくの白い花々 
境内に奏でられる雨唄あまうたに耳をすまし 
そっとこうべを垂れている 

些細ささいなことで 
すぐに頭を上げてしまう 
日頃の私 

稲穂の姿にも似た
秋明菊の黙礼は 
世の重力にうつむきながら 
地に映る花影を 
風に揺らす 

開ききらない 
控え目な白い花弁はなびらに包まれた  
小さい太陽





自由詩 秋明菊 Copyright 服部 剛 2006-10-01 20:37:36
notebook Home 戻る