闇夜の光の粒子によせて
藤原有絵

こんな闇夜に
待ってるんだ
ティンカーベル

君の為に
窓は開けっ放しさ


ぼんやり伝った
頬の涙は
言葉にすれば
笑いとなって
飛んでいく

そんな類いのものさ


しゃくりあげて
両手で顔を覆っている誰か

そこの誰か

僕の窓は
開けっ放しさ

聴こえているんだよ


僕たちは
泣いて生まれて
嬉しいはずなのに

夜にひっそり泣いて
心を摩耗する


夜更けには
わかるんだ

小さな音を手繰り寄せて


祈りを繋いで
夜の街繋いで

歌うように文字列弾いて


僕は何度も言ってやる

きらり
きらり


ティンカーベル
全て物知り顔なら
さっさと行ってやってくれ

一番
夜の深いうちに


誰かの
開けっ放しの窓から
声かけてやってくれよ




自由詩 闇夜の光の粒子によせて Copyright 藤原有絵 2006-09-28 03:09:24
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