寝かせ唄

ねんねねんねんお休みなされ
あれがひふみと数える内に
つると意識を落としんさい

夜毎虫飼うこの腹は / 骨は浮き出て皮ばかり
ゆるく静かに撫ぜてやろ / 肋が指先引っ掛かる
明日にはきっと日銭が届く
ねねちの陰膳奮発しよな
さぁさ目蓋を閉じんさい

ねんねねんねんお休みなされ
あれがひふみと数える内に
そっとしじまに落ちんさい

絶えず息刈るこの胸に / やまで見立てたくすり塗り
よれた襤褸布掛けてやる / 手にはねねちの小豆玉
ささくれ唐紙鈴音を招く
冷めた風が気持ちかろ
どうだ増しにはなったかい?

ねんねねんねんお休みなされ
あれがひふみと数える内に
早ょお楽土に落ちんさい

薄く跡付くこの頬を / 骨は浮き出て皮ばかり
萎びたひらで撫ぜてやろ / 蒸発がる微熱が引っ掛かる
明日にはきっとねねちに会える
山を幾つも越えられる
さぁさ目蓋を閉じてやろ





自由詩 寝かせ唄 Copyright  2006-09-27 00:18:45
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