唄声。
狠志


夜の駅前で、響く弦も。

かれた声の唄も。

イヤホンから流れる、完成された唄に、

かき消された。

夜の闇も、彼を飲み込もうと、

段々と、暗くなっていった。


こんなもんなんかな。


イヤホンから流れる唄を、僕は口ずさんだ。

そして、目を瞑った。

僕の唄も、夜の闇に飲み込まれるのだろう。

だったら、唄おうじゃないか。

僕たちが、居なくなるまで。


自由詩 唄声。 Copyright 狠志 2006-09-26 19:20:02
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