片足の雀
ぽえむ君

少年は宿題をやらなかった
先生から言われた居残りは
いつものように嘘泣きすれば
みんなと一緒に帰れることを知っていた

交差点で友達と別れた帰り道
不自然に動くものが
彼を横切る

何の不幸があったのか
その雀は片足だった

バランスが悪いのだろう
飛び方がぎこちない
食事をしようと乱れ落ちると
他の雀が彼を攻撃する
逃げようと飛び立つと
二羽か三羽で追いかける
明らかに突き落とす飛び方だ

自然の世界の厳しさが
空を悲しくさせた

それでも彼は食べなくては
生きてはゆけない
身体を突かれながらも
食事を突く
涙を流す暇などない

少年は生まれて初めて
本当の涙というものを知った


自由詩 片足の雀 Copyright ぽえむ君 2006-09-23 22:40:50
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