candy
水町綜助

空想の空青空も軋んで

ひずみから一斉にフルーツドロップなだれ込む

ブルーグリーン

イエローそして強い赤

ブルーブルー消えそうなイエロー

色を刷り込んだ世界に色の水滴が落ち続け

それはまるで夏の夕立のよう

まぼろしみたいな入道雲

色は色の上に色を重ね

僕は何枚も何枚もカーテンをあけつづける

水たまりがある

それは黒いアスファルトの窪み

黒い水がたまり

タバコの吸い殻が二本浮かんでる

それをのぞき込む

太陽が浮かび

白い放射線をあたりに撒き散らす

僕はいつかの現実に山の中に囲まれた町の中の広すぎる駐車場で

白い車の窓に映った逆光の僕に会った

町に時限爆弾が仕掛けられた日の翌日の光景だった

数年前の未知が車の窓ガラスに映され

窓ガラス越しに明日の未知になった

世界は回復の兆しを見せ

時限爆弾はふたたび時を刻みだした

56秒

風が吹き

51秒

背の高い銀杏が

41秒

緑の葉をすべて揺らした

28秒

鈴のように

22秒

父の買ってきた機関車のおもちゃ

5秒

走ってく



自由詩 candy Copyright 水町綜助 2006-09-22 00:13:47
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