トーン
霜天
死体になることも出来ない
朝の、調子はどうだ、と聞かれても
貝殻になりきれない私では
考えているからと、通り過ぎるしかない
美しくありたい
ほんの、時々でいいからそう思って
張り詰めた呼吸が、夢を語る午後
針で突いて、全てが漏れていきたい
青い空の日
私は死体になれなかった
踏越えた体の分だけ、指先から透き通っていく
目蓋を閉じる、裏側から想いが浸透していく
一番沁みる目薬を、ポケットに入れて外へ出た
ブルースクリーン、放置することが出来た夕暮れ
私にはまだ、上下するだけの幅がある
通過列車
白線が内側へと下がっていく
繰り返し、足並みを揃えても
声だけはまっすぐな調子で
行き過ぎるので