嘘でもいい
山崎 風雅

 正直者はバカを見る世の中
 それでも自分に嘘をつきたくないのだが

 蜘蛛の巣のように張り巡らされた友人関係
 一人をたてれば一人がくさる
 本当のことを話せば諍いがおこる
 修羅場はまっぴらだ

 嘘でもいい
 丸く治めよう

 僕が犠牲になれば
 全てがうまくいくのなら
 それでもいい

 心はボロ雑巾
 へこんでも光り溢れる笑い声を
 太陽は毎日昇る
 時には障壁にぶち当たる

 夜の片隅でタバコに火をつけ
 夜空に吐き出す
 虚しさをゴミ捨て場に捨てて

 本当の気持ちなんて
 月日が変える

 嘘もつき通せば
 本当になる

 偽善多いに結構
 偽善だと責める連中は
 善行為ができないことを
 悔しがって責めるだけ

 偽善も続ければ
 本当の善になる日がくる

 嘘でもいい



 


自由詩 嘘でもいい Copyright 山崎 風雅 2006-09-18 23:07:25
notebook Home 戻る