キャッチボール
山崎 風雅

 茜空が僕達を照らしてる
 きれいなオレンジ色に映るボールを
 投げては受け
 受けては投げ
 
 弟と家の前の路地で
 夜の帳が降りるまで
 キャッチボールをしていた

 やがて味噌汁のいい香りが漂い
 母のやさしい声が呼んでいる
 食卓には好物のとんかつと
 サラダと豆腐と味噌汁

 我先に我ら兄弟4人は
 食事を口に運び込む
 僕は長男
 二つ下の弟とどちらが食べれるか
 競争する

 お変わりのラッシュ
 最高でお茶碗に10杯食べた
 弟は12杯食べた

  
 あの頃
 全力で生きていたような気がする
 母も若く美人で
 兄弟もケンカしながらも
 仲がよかった

 まるで違う惑星に住んでるかのよう
 今のこの暮らし

 ノスタルジーは秋の夜長にぴったり貼りつく



自由詩 キャッチボール Copyright 山崎 風雅 2006-09-17 22:07:41
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