無量大数
あおば

150億円の借金を抱えて
華厳の滝に飛び込んだら
借金が重すぎて
華厳の滝の
滝壺の
水が溢れて
日干しになった
カワガラス
クイナ
セントロニクスのプリンター
関係ないじゃんという
デニーズのジャンパー
ジャンパースカートの娘が
これから訪れる宇宙の
果てに住む
クロコダイルの卵を
ポケットに隠して
裏口のドアをそっと開けて
出ていくのを
黙って見送る
お人好しの父親は
150億円の借金を抱えて
滝壺に飛び込んで
こんなはずではなかったと
後悔した人の父親で
お金を使うことは得意だが
お金の計算はできなくて
お金が無くなれば銀行に行って
好きなだけのお金を引き出して
ジャンパースカートの娘を
裏口から見送って
滝壺の中で
借用証にサインをする
後悔することのない
水色の人生を
繰り返しては
老いることなく
若返ることもなく
派手な人生を送ることなく
水鉄砲で撃たれると
悲鳴を上げて
倒れるふりが得意な
当たり前の父親を
演じるのが得意で
いくつになっても
お金の勘定ができない

僕のあたまの中には
そんな巫山戯た人が3人も住んでいるから
毎日のお金感情が険悪となって
夫婦関係を維持するのもたいへんなのです

こんな時にも
裏口から出ていくのが得意な
ジャンパースカートの娘がいれば
なにかと重宝で助かるのですが
創作上の人物なので
実際の役には立たないのです。





自由詩 無量大数 Copyright あおば 2006-09-17 00:36:41
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