から、から

みずをのんでると透明になってく

と、云う
ある女の子のへやには

からっぽになったミネラルウォーター、の
ペットボトルがやたらにころがっている

なので
すこしだけためらってしまう
いつも

透明になっていく人とのキスも
そうじゃない人とするキスも
かわるわけじゃないよ


つたえたい気がしているのに
のどがからからに乾いていて
ことばを発するのがむずかしい

へやには
ペットボトルがふえていく
やたらに
透明になっていく

そのすがたに
背景がすけるようになったころ
女の子をみつけることも
むずかしくなったな

と、きづく

みずをのみつづけて透明になる
ねぇ、
だれにみつけられたかった、の

さいきんは
捜すことすらしなくなった
怠惰さで

みじかいじかん、いのった



自由詩 から、から Copyright  2006-09-15 15:26:00
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