森の中に言葉が落ちていた
ぽえむ君

道標もない秋の森
色彩と静寂の中心を求めて
道なき道を奥へ奥へと
踏み分けてゆく
方向に迷えば
小鳥の声に頼るしかない

辿りつく中心
そこは孤独ではなかった
一つ一つの色が
それぞれの個性を語り
一つ一つの形は
それぞれの存在を主張する

文字ではないその色は
言葉だった

一つ一つの言葉を拾い上げ
抱きかかえ
重ねあい
大きな芸術に変化した

その中心から発せられる言葉は
空間に波を打ち
心に伝え響かせる

森の中にはまだ
たくさんの言葉が落ちていた


自由詩 森の中に言葉が落ちていた Copyright ぽえむ君 2006-09-14 22:59:26
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