「 っくす、のじじょう。 」
PULL.







リコは軟体のYにして、
変数Xの虜になりて、
っくすの事情。




難解なXの方程式。
あんな体位もできそうねと、
笑うリコ。

肋曲線Oマイナスπの周率は、
リコのおっぱいふたつなり。




恥じらいは、
っくすの回数に比例して、
薄れるものではないと、
リコ。


四十八は、
ひと月と十八日。
勉強熱心なリコである。

一足す一は二。
リコ足す変数Xは、
夜通しのっくすの事情なり。




背骨の窪み、
舌で数えて戯ぶ。
ふたりはしだいに絡み合いて。

引きつけ合うふたり。
やがてYはやわらかく、
Xを受け容れ、
X&Yひとつ。


リコのりは理性の理。
リコのこは子宮の子。
だからそこが感じるの。

束縛も嫉妬もしない主義。
されどこっそりPに歯を立てるは、
リコの意地。

背中に付けた爪の痕。
キスで割っても、
っくすの数には及ばない。


ふたりの仲直りはいつもっくす。
だけど疲れて眠る、
リコはひとりで。






ひとり戯びに耽る夜。
リコは月に抱かれて泣きじゃくる。
さよなら。




舌先でとけるリコの秘密。
数式でも解けない、
っくすの事情。












           了。



短歌 「 っくす、のじじょう。 」 Copyright PULL. 2006-09-13 05:23:33
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