大人になって、僕は
たりぽん(大理 奔)

魚の名前や花の名前に似ているけど
それとは違う言葉
直線ではなく曲線にも似ていない
それでも閉じている言葉

数え切れないそれらを
生み出しては忘れ去り
墓標をたてては
思い出と気取ってみたりする

中身のない棺桶の
アクセルをふかして
星空に進路を取っても
進むべき道は深き闇だけ

輝きときらめきの隙間を
鳥の名前や風の名前に似た
二周期五族の元素で満たしても
ありえない二人の世界


せめて、吹く口笛の
届く先に見つけたい
君の名前に似た思い出
蛍眠る原っぱの深き闇

  いつのまにか
  大人になった僕は
  墓標にむかって思い出などと
  そんな約束を
  繰り返したりはしない





自由詩 大人になって、僕は Copyright たりぽん(大理 奔) 2006-09-12 23:02:24
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