「 にくよくの、っくす。 」
PULL.







「っくすって、
 くしゃみみたいな言い方ね。」
と、
終わったばかりの彼女が呟き。




ひとにぎりふたにぎり。
ふたにぎりと、
ちょっと。
誰かのものと、
比べないで。

「肉欲って、
 なまなましい漢字よね。」
そう言って、
彼女が頬張ったから。




漏れちゃうと、
何度も言うので、
「してごらん。」
シーツを濡らす彼女は泉。

恥ずかしいと、
シーツのシミを隠すから。
愛おしくなって、
また辱める。


「いやらしい指ね。」
そう言って彼女は、
ぼくの深爪をぺろりと舐めた。




いくいくいくと、
白目を剥いて泣き叫ぶ。
彼女はどこにゆくものぞ。




「もっと、
 っくすしたいの?。」
そう、
彼女が訊くので、
「ううん。
 きみとだけ、
 っくすしたい。」












           了。



短歌 「 にくよくの、っくす。 」 Copyright PULL. 2006-09-12 02:08:18
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