火照り
山崎 風雅

 激しい夏の日々は遠ざかり今は秋
 太陽は街を焦がし山を焦がし海を焦がした
 熱は放射され僕達にも注がれた

 まだ肌が小麦色に残る腕や背
 夏の思い出そのあやふやさ
 祭りのように胸が騒いだけど
 少し淋しい季節が訪れる

 体に残る疲れはほどかれて
 涼しげな風がこの髪を弄ぶ
 色の移ろいを感じさせる木々
 安らかに瞳の中に風が吹く

 忘れ物はたくさんした気がする
 それも許されているような気になるのは
 秋ゆえの優しさだろうか

 夏が僕に残した火照りほてり




自由詩 火照り Copyright 山崎 風雅 2006-09-12 01:05:56
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