星雲巡航
砂木



草のしないだ後が 私の靴後
手の中にある と思うものだけ
鍵だから いつまでも開かない

ふさぐ風だけ 私を知ってる
つぶれない 心の輪 とじない宇宙

弾く ひくく
触れさせて ひそやかに

塵と 悲しみについて語る
その細い唇に流れる オルゴール

巡視艇が まざらずに 走る
くべられ続ける 永遠
汽笛は 後ろ姿ばかり

裸足で咲く星の 滅びる前の微笑み
つたのように 涙にさえほどかせない
水と火の 契り

褪せた足の鈴が チリィン と鳴る
つぶやく光の 奥に深まる銀河の誘い

髪に したたり流れる
古い 竪琴 かき鳴らす星

この眼に やきつく航路が
耳元で渦巻く 月光の奥夜

 


自由詩 星雲巡航 Copyright 砂木 2006-09-10 20:15:18
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