金魚の時間(三日目)
愛心

私は人魚姫の話を聞いてから
一睡も出来ず
ふらふらしてしまいました
反対に夢月はとても元気でした
「おはよう!
 ・・・って大丈夫か紅香?」
でもやっぱり心配してくれます

私はにっと笑うと言いました
「平気だよ!今日はどこ行く気?」
「とりあえずさ
 お前浴衣を着替えろよ
 ほらっTシャツとジーパン」
そうでした・・・
私はずっと浴衣姿でした

金魚なので汗はかきませんが
今だけ人間のカッコをしようと思いました
私はお風呂で着替えると
夢月の前に出ました
「じゃーん!どう?可愛い?」
夢月はニコニコしながら
可愛い可愛いと言いました
『えへへっ』
私はお風呂場に戻ると
浴衣を洗おうとしました
   
  え?

水につけると浴衣は
赤い光を撒き散らしながら
金魚の模様を作り始めました
私は急いで水から浴衣を出すと
ぎゅっと抱きしめました

『私が金魚に戻っちゃう前兆?
 ・・・・・嫌だ!戻りたくないっ
 嫌!嫌!!嫌!!!
 夢月とずっと一緒がいい』
 
見ると腕がほんのり濡れています
「きゃっ」
「どうした紅香?!」
夢月の声です
「大丈夫・・・
 ごめんね驚かして」
私がそういうと安心したようでした
「そう・・・今日も遊びに行くぞ!
 早く来いよ!紅香!」

私はタオルで濡れている所を拭くと
浴衣を持って夢月のほうに行きました
 


自由詩 金魚の時間(三日目) Copyright 愛心 2006-09-07 20:54:32
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