ある夏の暑い日
kenny

君にはなんに見える?

「僕にはりんごに見える」

そうだね 君はりんごが大好きだからね


じゃあ君にはなんに見える?

「僕にはボールに見える」

そうだね 君はボール遊びが大好きだからね


ある夏の暑い日

二人は互いにりんごを分け合い

ボール遊びをしながら過ごしていました

すると 空から丸いものがいくつも落ちてきました

「あ、りんごがたくさん落ちてくる」

「ちがうよたくさんのボールさ」


「りんごおいしいね」

「ああ、ボール遊びもたのしいぞ」

ふたりは天国で

今日もなかよく遊びます


あの日 二人の上に落ちてきたのは

外国の飛行機の落とした

爆弾だったのです


「僕たちりんごにあたってここへやってきたんだよね」

「そうかなあ 僕はボールだと思うんだけどなあ」

二人の意見はまだ違っています

二人は爆弾を知らないのです

爆弾が丸いのを知っているのは

大人たちだけです


自由詩 ある夏の暑い日 Copyright kenny 2006-09-07 05:58:14
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