花吹雪の中で 〜出逢いの日〜
服部 剛
幾枚かの
花弁
(
はなびら
)
が舞い落ちる
淡い光のあふれるいつかの場所で
あの日の君は
椅子に腰かけ本を読みながら待っている
いたずらに
渡した紙切れの恋文に
羽ばたく鳥の切手を貼って
君の白い手から放たれた絵葉書は
風に運ばれ
僕の
許
(
もと
)
へ
明けることの無い夜に
佇
(
たたず
)
んでいたあの日の僕は
絵葉書を手に境界線に足を踏み入れ
淡い光のあふれる場所へ
音の無い僕の足音に
顔を上げた君は立ち上がる
花吹雪の舞うトンネルの中
遠くから互いの姿は近づいて
初めて瞳を合わせた
あの日
自由詩
花吹雪の中で 〜出逢いの日〜
Copyright
服部 剛
2006-09-07 01:02:04
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