岬にて、星を見る
たりぽん(大理 奔)

波や風は待つものなのよ、と
長い髪を旋律で
砂浜の反射が切り抜いて
細めた視線の届く先に
僕の胸は高鳴る
星座盤の小さな窓から見たように
君のことを知ったかぶりしていた
そんな気がすると
言葉を繰り返しても
それがかたちあるものを
生み出すわけではないのに
ひどく寂しいと言えば
南風だって
冷たいままだ

おや、
何かがかわったね
言葉を繰り返しても
そこに真実はないけれど
ほんとうを伝えたいから
そうするのだね、ひとは

繰り返すものを待つのか
ゆられながら漂ようものを待つのか
波や風というあいまいなことばで
胸の反射を切り抜いて
つぼめた唇の届く先に
星座版を回す手が
、高鳴る




自由詩 岬にて、星を見る Copyright たりぽん(大理 奔) 2006-09-06 00:32:37
notebook Home 戻る  過去 未来
この文書は以下の文書グループに登録されています。
私的星座盤