残骸
ブライアン

流れていく言葉は、物語になる。
消えては生まれ、、淀みを含みながら、
先祖代々の昔話は、公衆電話にも聞こえてくる。

メロディを失った中学生は、
国語の教科書で音楽を学ぶ。

公衆電話から聞こえてくる大声は、
途切れながら、路面に、吊るしだされる。

決められた順番に並ぶ列。
朝の電車を待つ長蛇の列。

先祖代々の物語が、言葉と、意味を、切り離し、
流れていく言葉が、誰の手からも逃れたとき、
そこには、大きく、安らかな残骸が残る。

きらびやかな色彩を離れて、
大きくて安らかな残骸となる


自由詩 残骸 Copyright ブライアン 2006-09-02 18:24:09
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