青い旗
ふるる

レモングラスの川べりから
青い星座を辿ってきたのですね

稲妻をたたえた雲は
あと少しで追いつくでしょう

細いボトルには少しのお酒が残っていて

薔薇の庭にぐるりと張り巡らされた柵
柵はところどころ裂けていました
小さなけものが穴を掘っていたのですが
気がつきましたか

星座は本当の本当の名前を知らないのです
稲妻という名前でもよかったのですが
もっと美しい名前はありますか
(たとえば・・・・)

稲妻をたたえた雲はいつのまにかすっかり消え
レモン色の薄く切った月がほら
そこにも
あそこにも
川面に映ってはゆらめいて流れて

ゆうら
ゆうら

夜はずっと続くのでしょう遠くまでほころびもなく
続いているのでしょう
あの清らかな川に洗われて

たった今織り上げられた
青い旗の
隅にあらわれた少女

少女はきれいな子馬を連れていて
子馬は鼻づらで優しく手のひらを押します

それを覚えていますか
レモングラスの
爽やかな香りと
さみしい子馬の匂い

細いボトルには少しのお酒が残っていて
あなたの喉を潤すのでしょう

もうすぐ あなたは眠りに落ちるのでしょう
青い旗の少女が
導くのにまかせて

ゆうら
ゆうら  

ほら   、

(あの美術館の柱は青と白のマーブルだったのよ)

(私だけのあの星は決して輝かない星)

(ほら・・・)









自由詩 青い旗 Copyright ふるる 2006-08-30 21:05:06
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□□□抒情詩っぽい□□□