風鈴
たもつ



犬の耳が
ちょうちょになって
飛んで行ってしまった
音が出なくて済むように
静かな玩具を買い与えた
名前を呼んでも
もう振り返らない
それでも涼しい場所は
誰よりも知っていて
風にほんの少し揺れる



自由詩 風鈴 Copyright たもつ 2006-08-30 16:24:42
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