25、蜻蛉 【かげろう】
雨宮 之人

薄いはね
はばたいて
数日の 玉の緒
切れた先に 何が見える

揺らめいて 嗚呼
水面みなもを舞う だが
羽音はおとは聞こえない
その かすかな存在のゆえに

焼け焦げた空が
銀色の水面が
立ち昇らせた 夢の如く

透明な翅は
哀れみも彼方
幻のように 今日をはばたく


自由詩 25、蜻蛉 【かげろう】 Copyright 雨宮 之人 2006-08-29 15:36:52
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