サマー(アゲイン)
霜天

ついでだからそれも(どこか遠くへ)
捨てておいてよ
使い切れなかった、使い捨ての
積み残していく、観覧車
  (あの景色はどう見ても、空回りしていた)
夏は、どこを切り取っても夏で
僕はいつかの昔の玩具箱を
ひっくり返した、そのままの姿勢で


  (逃げたわけでは)
    (そう、逃げたわけでは)


かさぶたのままの恋でも
どうにか歩数は稼げるもので
陽炎に揺らぐ景色が
どうにも興味深かったもので


それはいつかの
一枚の、絵
再びの夏に
忘れていた呼吸は
僕らを遥か追い抜いて
あの空の下
季節越えの坂道下る

 (止まる術をどこに置いたか
 (下る途中に気付かされて


知らなかったと済まされる夢じゃなく
知らなかったと済まされる声もなく


 再びの夏、でした


ついでだからそれも(どこか遠くへ)
捨てておいてよ
重荷
重荷は
幾つ目の朝
忘れる声を、思い出せずに
開けた蓋を、閉め忘れては
ひっくり返した、そのままの姿勢で


もう一度


自由詩 サマー(アゲイン) Copyright 霜天 2006-08-28 01:42:53
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