風の流砂
服部 剛

愛は、もろい砂のかたまり 
この手に掴もうとすれば
指のすき間から零れ落ち
一時ひとときで姿を消す 

優しい陽射しのこぼれる 
窓辺の下にそっと置かれたまま 
砂の塊は光を帯び始める 

窓を開くと
レースのカーテンはふわりとなびいて 
密かな風に運ばれる流砂

吹きこむ胸の内に滲みはじめる 

淡い光 





自由詩 風の流砂 Copyright 服部 剛 2006-08-27 13:02:28
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