コーマ
ふるる

ねえ、コーマ
ひた走る夏がまたやってきたよ
クルクルと
額を通り過ぎる光の群れ
君は開け放した口で
笑うね
(笑う 笑う 笑った)

君は箱庭が沢山ぶら下がった
奇妙な棒をかついで
ひた走る
(笑う 笑う 笑った)

波は君を追い越すだろうか
ねえ、コーマ
眠りについたばかりの君
君のとってからげた波はいつも
(笑う 笑う 笑って)

コーマ、

サンゴ礁はわりと柔らかいけど
立ち止まったりはしないんだろう
ぶら下がった箱庭には
小さなガレージ
きれいに磨かれた車が
きちんと並んで
(笑う 笑う 笑う)

コーマ、

ようく見るんだ
通り過ぎるものを
あの小さなガレージから
飛び立っていく車たちは
もうきちんと並んでなんかいない

コーマ、
クルクルと
額を通り過ぎるよ車が
(笑う/あれらは音速の)

コーマ、
だからって君は立ち止まらない
ねえ、君
もう達した頃だろうか

(笑いながら眠る君の額をクルクルと通り過ぎる光の群れ)

ねえ、コーマ

(お前は音速で越えながら)

(笑う 笑う 笑っ )


自由詩 コーマ Copyright ふるる 2006-08-26 22:25:28
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□□□抒情詩っぽい□□□