レトロ
ソマリ

初恋の人の名前を呼ぶように遠い花火は音だけで咲く


宵かがり すくい上げられひと夏を共に過ごした金魚の記憶


パラソルを少し傾け向日葵と同じ角度で空を見上げる


涼しげな薄い便箋選びつつ ねえ本当にお元気ですか?


その人の川面にゆれる緑あり名は知らないが夏草である


肩越しの夏は光を反射して両目を閉じる理由をくれた


短歌 レトロ Copyright ソマリ 2006-08-26 13:51:16
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