オパール
まどろむ海月





まるで見通せない
乳白色の霧の中
時折 虹色の燦きが

不安定な夢の充実感
あれは幸福なひと時だったのか
すぐ近くに 君がいたのを
知りもしないで…

オパールの中
白い褥に 君を抱き寄せたら
もう一度 あのやさしい空間に
戻れるだろうか

雪の降りしきる黄昏
君に傘を差し伸べられないまま
すれ違った 哀れな罪を
今度こそ 償えるだろうか

自分の小ささに
涙したあの日も
背中合わせに
いつも白く
君はいたのだね

オパール
天から降りしきる雪
空に向かって点々と続く
あの足跡さえ消して
なにも見通せず
なにも持てなかった
日々の白い闇















自由詩 オパール Copyright まどろむ海月 2006-08-26 12:23:25
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