野郎どもの夏
atsuchan69

百花繚乱に煙る 夏の夜空をバックに
綿菓子や林檎飴を手に手に
すぎてゆく人々の自由気儘な横暴さ

俄かに沸いた川べりの雑踏

何処となく、ふてぶてしい輩の座る
露店のならぶ賑わいと傍らの闇
発電機の唸りも轟きに消えて

「カキ氷だろ?
イチゴシロップだとかメロンだとか

「烏賊焼きの
あの香ばしい匂いには勝てないヨ
でも、やっぱタコ焼きかな

「それより誰にも見られないところへ早く行こうぜ!

「えー? 人イッパイじゃん!

ルーズシニョンの髪に紫の帯、
黄色い浴衣を着たお姉ちゃんが
俺の逞しい腕に引かれて
つけ睫毛もながく 瞳をキョロキョロさせる

「だいじょーぶだって ((((ほら、あの橋の下

さかり猫のような ふたり
幾度もキスをくりかえし
次々と打ち上げられる、石火の光

 ドドーン! パンパパーン!

――大輪の花が咲き、瞬時に散る
つかの間に露にされる 互いのカラダが
二度と忘れられないほど 愛おしい

帰り道、土手沿いを歩きながら
「なんかアンタのが零れてきちゃったヮ
お姉ちゃんが そう言えば、、
「あー、それは右? それとも左?
と、尋ねかえす俺




自由詩 野郎どもの夏 Copyright atsuchan69 2006-08-25 01:48:34
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