汗の滲み
atsuchan69


  日の涼しいころ、
  白い開襟シャツを着て家を出る
     それでも蒸した空気が
      まだ動こうとしないない路地
    鉢植えのしぼんだ花たちや
だらりとぶら下がる 垣根の瓢箪

  妻がデパートで買ったという、
   クレープの下着。
  しゃりしゃりした肌心地も
             たちまち失せて

  ご近所の打ち水、
    洗車する兄チャンの手にもつホース
  派手なピンクやイエローの浴衣で
 アイスキャンディーを舐めながら歩くのは、
   すこしエッチそうな金髪娘たちと
       アロハを着た 坊主頭の少年

  右目に ものもらいが出来ちゃって、
    眼帯をして
      お医者へ通う

   胸のあたりの 汗の滲み、
     道ばたにしゃがむ浮浪者と犬

  「帰り道は、きっと一杯ひっかけなくちゃ!

   僕の目のまえに煙がたちこめ
    あの香ばしい匂い、
      焼き鳥と泡立つジョッキ
グラスに浮かぶ 琥珀の汗




自由詩 汗の滲み Copyright atsuchan69 2006-08-19 23:12:58
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