金魚の想い
愛心

夢月がゴハンをくれてから
結構時間が経ちました
私はその間
ゆらゆら泳ぎ続けていました

『夢月・・・・・』

ボン!

身体中が真っ赤になったようでした
私は石の上に座ると
ゆっくり深呼吸をしました
赤いのは収まったけど
心臓はドキドキしています
私は頭を振り頬をパチパチ叩くと
石から降りて
歩いて見えない壁に行きました

見えない壁は
私を映す壁に変わっていました
私はとげとげしている小石を探すと
自分の赤い髪を梳きました
浴衣を着直すとクルリと回ってみました

そしてにっこり笑ってみました

「夢月は私の運命の殿方だもの
 私のこと美人って言ったもの
 『紅香』って名前も付けてくれたもの
 きっと夢月と私は結ばれるわ」

私は目をつぶり壁に軽くキスをしました
するといきなり明るくなり
私の目の前には壁越しに
私にキスをしている夢月がいました



自由詩 金魚の想い Copyright 愛心 2006-08-17 17:52:58
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金魚の恋物語