天使の微笑み
山崎 風雅


 まんじりとしない夜
 通せんぼの猫が神社の境内に寝ている
 求めても求めても届かない愛のドラマ
 いつまで経っても
 いつまで待っても
 届かない

 それでも恵まれているのだろう
 胸のパトライトが点滅してるけど

 さんざん回り道をしてきた
 自ら進んで茨の道を選んできた

 時折訪れる快楽はいずれ消えるのだから
 そんなこと考えてる僕は幸せの脱落者

 街角で見つける幸せの欠片
 見逃さず喜びのため息をつく
 
 もう戻れない青春は
 胸の内にしまい込んで
 光りこぼれる朝は
 穏やかな夜は
 毎日少しづつ形をかえながら
 僕の心を極彩色に染め上げる
 
 喧騒の昼よ
 静寂の夜よ

 どうにもならない宿命は
 絶望でもあるけど
 希望でもある

 どこかに落っことした
 夏の思い出よ
 遠く離れても
 健気にいきるから
 天使のほほえみを
 嘘のないほほえみを
 僕に向けて投げかけておくれ




自由詩 天使の微笑み Copyright 山崎 風雅 2006-08-11 05:04:50
notebook Home 戻る  過去 未来