朧夜
霜天
それでもあなたは膨れていきますか
記憶を少し、壊してみたのは誰のこと
過ぎることも簡単にいかない夜ばかり
振り返ることも出来ないだろう、この身なら
薄い化粧の夢を見るので
慌てて顔を洗います
回りまわるは誰の、ため
全てが薄れる夜、だからこそ
これからの私たちは
大事なものへ紐をかけるように
遠回りに夢を語り合いながら
すれ違う言葉でしょうから
夜は白く、深まっていきます
いつまで膨れるあなたでしょうか
過ぎることが堂々巡りの夜ばかり
薄煙に霞んだ私の
右の指先は未だに遠い
自由詩
朧夜
Copyright
霜天
2006-08-11 01:16:44
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