8月の爪
Lucy.M.千鶴

うなじを わたる風は
なまぬるく

きみの 吐息を
想い出させる

空には でかくて
細い月

きみが たてた
背中の 爪痕のよう

息もつかずに
愛をかわす

夜露も汗と
共に 散る

狂おしい
二匹の けものに なれ

やがて
深い森の 朝靄の中

世界は かわらず

周り続ける


自由詩 8月の爪 Copyright Lucy.M.千鶴 2006-08-09 20:44:31
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